「3、2、1・・
 あけましておめでとう!!」


そこかしこで聞こえる歓声に囲まれ、は新年を迎えた。
鐘の音だけが取り残されたみたいに小さく響く神社で沢山の人が笑いあっているのを尻目に、は神社特有の石段を登る。
漸く昇り終えたに、背中から聞き覚えのある声がかかる。


「よォ、

「あけおめでさァ」

「あれ、土方さんに総悟くん?」


年明けにも関わらずいつもの隊服姿の二人に、は驚きの表情で問いかける。
辺りを見回すと数人、真選組の隊服の人たちがお面被ったりわたあめ頬張ったり楽しそうにしている。


「バカ皇子が神社に行きてーって言い出してな」

「新年早々護衛なんて公務員はつれーぜィ」

「お前は十分屋台を満喫してるだろーがァァ!」


溜息を吐きつつ両手のりんごあめを頬張る総悟くんに、土方さんはいつもの如く怒鳴る。
そんな土方さんを完璧無視して、総悟くんはこちらに視線を戻した。


「そーだ、は今から暇かィ?」

「うん?今から万事屋に挨拶に行こうかと」

「あー、旦那ならさっき出てったのを見たぜィ。ありゃあしばらく帰ってこなさそうだったねィ」

「え、そうなの?銀ちゃんってばすぐ来いなんて言っといて・・」

はむっとして銀ちゃんからの着信履歴を睨んだ。
あんなに寂しそうな声出すからちょっと心配したのに、何なのよ。


「俺らと遊びましょうや。奢りますぜィ、土方さんが」

「俺かよ!」


何故か黒く笑う総悟くんと思いっきり突っ込む土方さんに、は戸惑いつつ返事を返した。





>>「じゃあ、お言葉に甘えてお邪魔しようかな」

>>「でも、銀ちゃんと約束したから・・」


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