息苦しく、けれど、心地良い。 この俺が、訳のわからない何かに翻弄されるなんて。 「おい、」 ため息混じりに声をかけても、返ってくるのは安らかな寝息だけ。 眉根を寄せて隣を見ても、伏せた長い睫毛は揺らぐことがない。 緩やかなカーブを描いた列車に、の身体は不安定に俺の肩に凭れ掛かったまま。 「ちッ・・」 俺の肩を枕代わりに、幸せそうな顔を見せる。 ・・・いつも黙ってりゃいいのによ。 そうすりゃ、少しは・・・ ぼんやりと思った内容にハッとして、眉根を寄せる。 「何、考えてんだ俺・・」 イライラと手すりを叩き、窓の外に目を向ける。 夕焼けが俺とを、赤く照らしていた。 |
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