「見ーっけ」 荒い息を整えて彼女の頭に手を乗せると、彼女は全てお見通しとばかりにこちらを見ずにくすりと笑った。 「おかえり、ラビ」 「ただいま」 君はすぐに気付いてくれる。名を呼んでくれる。 それだけで幸福感に満たされる。 探したさーと笑って、くしゃくしゃとの頭を撫でると、は俺の手を掴んで不満げな声を上げる。 「ちょっ・・ぐちゃぐちゃになっちゃうー!」 「いーじゃん」 「いーやーだッ!!」 そんなに、嫌? 少しでも触れていたい俺の気持ちもわかって欲しい。 ましてや、長期任務が終わっての久方ぶりの再会だと言うのに。 仕方なく彼女から手を離し、しかし恨めしそうな視線を向けつつの隣へ腰を下ろす。 「何さーケチ」 「・・何の用なんですかラビさーん?」 俺の台詞にカチンと来たのだろう、少し意地悪く睨んで言う。 ・・・可愛い、けど可愛げないさ。 「何さ、用がなきゃ話も出来ないんか?」 負けじと唇を尖らせ、意地悪げに反撃してやった。 そんな俺に呆れたのか、ひとつ溜め息を吐くと一転、彼女の瞳に心配そうな色が覗く。 「体、大丈夫なの?さっき帰ってきたばっかりなんでしょ」 そっか、心配してくれたんか。 なんだか嬉しくて、膨らませてた頬が容易く緩んだ。 惚れた弱みってやつ? 「此処でゆっくりするさー」 の隣でなきゃ、意味ないからな。 ・・・なんて、流石に本音は言えないけど。 「中庭じゃ眠れないんじゃない?」 一面に広がる緑を見渡して彼女は訝しげに問う。 此処が良いんさと笑ったら、不安げな表情を見せた。 「そ?退けようか?」 邪魔になるとでも思ったのだろう、心配そうにこちらを見上げるように覗き込む彼女はいつもより一層可愛くて。 つい、本音を口走っていた。 「は此処にいないと駄目さ」 「え?」 意味がわからないとでも言うようにきょとんとする彼女に、うっかり本音を口にした俺は動揺を隠して続ける。 「中庭じゃ痛くて眠れないさ」 「?じゃあ部屋に戻れば良・・」 彼女の台詞を無視して太腿に頭を乗せると、気付いて視線を下ろした彼女と目があった。 「ッ・・!?」 遅まきながら俺の行為を確認して一気に顔を赤らめる。 ・・・可愛い。 眼前の、最高に可愛い彼女を見上げて俺は悪戯っぽく笑った。 「気持ちいー」 「馬鹿ラビ!」 |
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