鐘の音がやけに耳に響く。 煩い。煩い。 う る さ い 「、行こう?」 「・・・」 「・・」 困ったように名を呼ぶドア越しのガイの声を、は未だ背を預けたまま聞いていた。 天井を睨んで、ぎゅう、と自分の手を握り締めて。 イオンが死んだ。 それも予言の通りなのだとしたら、は予言なんていらない。 そう喚いて、泣き叫んで、結果ガイにまで迷惑をかけるを見たらイオンはどう思うかな。 きっと、困ったように、でも笑って、を諭すんだろう。 そう、あの大好きな優しい声で。 それだけがを動かすから。 それだけがを生かすから。 それがなきゃ、駄目だから。 ─── イオン?帰ってきたの? 涙で濡れた視界は、ぼんやりとしてて何も見えない。 そういえば、窓を開けたままだった。 「?聞いているかい?」 ガイが何か言ってるけれど、もう、いいや。 イオンが、笑ってるから。 イオンが、手を伸ばしてくれたから。 イオンが、抱きしめてくれたから、もう。 「イオン・・連れてって・・」 |
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