あいらぶゆ。あいにーじゅ。
あなたがくださる言葉はいつも、私の理解を超えるのです。


「だから、言ってんだろ?


心底呆れた様子でこちらを見下ろす政宗様。
見つめられることに耐え切れず俯いた私の顎を掴んで、強引に上を向かせる。
整った顔立ち、甘い声、妖しい光を宿す左目。
それを全て、ご自分でわかっていらっしゃるものだから、尚更質が悪い。
一体何人の女を囲っておいでなのだろうか。


「お戯れを。いくら領主様でもご冗談が過ぎます」


困ったように笑って、顎を掴んでいる大きな手に添えた。
お優しい方だと知っている。
だからこそ、政宗様のこの行動は理解に苦しむものがあった。
民のことを一番に考えておいでの貴方が、どうしてその民である私を苦しめるのですか。


「戯れにしか思えないってか?領主だろうが農民の娘だろうが同じだろ」


不機嫌そうにそう言うと、政宗様は一層体を近づけた。
間近で聞こえる声が低くなって、私の左耳から脳を刺激する。


「I love you...

「わ、私は・・異国語は・・」

「そのうち慣れる。お前は黙ってYesって言やあいいんだよ。Are you OK?」

「いえ、す・・?」


政宗様の言った言葉を反芻すると、彼は小さく笑みを零した。
有無を言わせない彼の瞳が、私を映す。
それだけで私を黙らせるには十分すぎるのに、政宗様の唇までもが私の口を塞いだ。

異言葉遊び
(ついに私の口からは、何の言葉も出なくなった)

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