の精一杯の抵抗は、先生に伝わることはなかった。
だって、先生はの身体に巻き付けた腕を緩めることすらしてくれない。


「離してッ」

「嫌だっつったら?」


眼の前でにやりと笑った先生は、いつもの先生なのに"先生"じゃなかった。
名前を呼んで見上げれば、少しだけ優しく、の頬に触れる先生がいた。
その瞬間に気を緩めてしまったが悪かった。

やばい、なんて柄にもなく思ったけど、遅かった。
気付いた時には先生の嫌な笑顔が間近にあって、の唇は濡らされていた。


「ッエロ教師・・!」

「こーら、先生に何て口きくの」


先生の大きな手が至極当然のようにを壁に押し付けて、は逃げ道を絶たれた。
の額に軽くキスを贈って、先生は眼鏡を外す。


「お前が、悪い」


瞬間、の知ってる"先生"は、いなくなった。

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