「、オハヨ」 いつもの笑みを浮かべて、ティキはベッドから起き上がったに声を掛けた。 こっち、と手招きをする彼に導かれ、は寝ぼけ眼でベランダへ足を運ぶ。 「見ろよ、いー天気」 「わ・・」 空では見事に太陽が笑っていて、思わずにも笑みが零れる。 綺麗な青だけがたちを包んでいて、まるで世界にふたりきりのよう。 そう、ふたりきり・・ 「ねぇ、ティキ」 「ん?」 声のトーンが落ちたを気遣ってか、少し屈んでの顔を覗き込むようにするティキ。 敵に向けるものだとは思えない柔らかい眼差しに、少し泣きそうになった。 「この世界にふたりだけなら、いいのにね」 「・・・」 「なんてね!ごめん、冗談!」 あはは、と笑ってティキから目を逸らす。 ティキが悲しげにを見ていたことを知っていたから。 どんなに願ったって、駄目なんだってことも知っているから。 「ごめんな・・・」 ティキは恐る恐るを抱きしめた。 震えていたのは、か彼か。 ティキの肩越しに見えた綺麗な空が、何故かぼやけて見えた。 |
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