俺を見上げて笑う彼女の瞳からは、いつもの強い光。 俺が堕ちた、美しく優しい眼差し。 そんな目で見ないで。 ダメなんさ、俺は。 「や、ならッ・・拒めばい、のに・・・ッ」 全てわかってて、そんなこと言ってる? だとしたら、嫌な女。 それでも俺は、お前に溺れてる。 「こーゆーこと嫌いな男はいないさッ・・」 アレンはわかんねェけどな、紳士だし。 余裕を見せる為の軽口も、彼女に飲み込まれる。 わかってる、惚れた弱み。 どうしたって彼女には敵わない。 「や、ぁあッ・・!」 ぐたりと倒れこんだ彼女に触れ、意識がなくなっていることを確認してから、その白い肌に跡を残した。 目覚めてこれに気付いた彼女は、どんな思いを抱くだろう? そう思っても、止められる訳がなかった。 これが最後だから、そう呟いては何度も赤い華を咲かす。 「ごめん、・・。俺、泣かせてばっかだな」 目尻に浮かぶ涙を拭って、俺は小さく囁いた。 ほんとは、君にちゃんと言いたかった言葉。 「愛してるさ、・・」 一人分の重みがなくなったベッドから、スプリングの音が虚しく響いた。 |
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