俺を見上げて笑う彼女の瞳からは、いつもの強い光。
俺が堕ちた、美しく優しい眼差し。


そんな目で見ないで。
ダメなんさ、俺は。


「や、ならッ・・拒めばい、のに・・・ッ」


全てわかってて、そんなこと言ってる?
だとしたら、嫌な女。
それでも俺は、お前に溺れてる。


「こーゆーこと嫌いな男はいないさッ・・」


アレンはわかんねェけどな、紳士だし。
余裕を見せる為の軽口も、彼女に飲み込まれる。


わかってる、惚れた弱み。
どうしたって彼女には敵わない。


「や、ぁあッ・・!」


ぐたりと倒れこんだ彼女に触れ、意識がなくなっていることを確認してから、その白い肌に跡を残した。
目覚めてこれに気付いた彼女は、どんな思いを抱くだろう?
そう思っても、止められる訳がなかった。
これが最後だから、そう呟いては何度も赤い華を咲かす。


「ごめん、・・。俺、泣かせてばっかだな」


目尻に浮かぶ涙を拭って、俺は小さく囁いた。
ほんとは、君にちゃんと言いたかった言葉。


「愛してるさ、・・」


一人分の重みがなくなったベッドから、スプリングの音が虚しく響いた。


どうか、 って
(でも、お願い、忘れないで)


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ラビ夢。「エクソシストのラビ」をやめる時のお話。
両思いなのはお互いわかってるんだけど、口には出さない。別れなくてはならないってわかってるから。
(2006/10/13)

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