美男美女カップル、だって正直そう思う。 だって絵になるし。そりゃもう、端から見たらうっとりしちゃうくらい。 ・・それでも、信じたくないんだもの。 「待てっつってんだろーが!」 「何なのよあんたはー!」 廊下をバタバタと走るは、と跡部。 流石の風紀委員も跡部には口を出せないらしく、たちの鬼ごっこは止まらない。 階段を一段飛ばしにして駆け登るに跡部の怒声がかかるけど、気にしない。捕まったら負けだ。 階段を昇り終えて屋上へのドアに手をかけたところで、背後から伸びた腕に妨げられた。 「たくッ・・手間かけさせやがって」 ことごとく跡部の腕をかい潜って逃げ惑うに、いい加減イライラしているらしい。 背中越しに伝わる跡部は珍しく熱くて、息は乱していないものの必死でを追ってきてくれたことは容易に理解出来た。 「だ、だって跡部がすごい形相で追い掛けてくるから・・」 「アン?誰のせいだと思ってやがる」 「え?」 頭に疑問符を浮かべるの腕を荒く掴み、向かい合う形にさせる。 目の前に見えるのは、眉間に皺を寄せてを見下げる跡部。 ・・・怒ってる、みたいだ。 「泣きそうな顔しやがって。そんな顔俺様に見せるんじゃねーよ」 「な・・、跡部には関係ないじゃない」 どうやったって見上げる形になるくらい背の高い跡部を睨む。 こんなことでしか抵抗を表せない自分に嫌気がさす。掴まれたままの腕は、こんなに熱いのに。 跡部は小さく溜息を吐くと、を射るように見遣った。 「あいつは忍足の彼女だ」 「は、」 「誤解してんじゃねーよ、馬鹿」 「・・・ムカつく」 こんなんじゃ、の気持ちバレバレだ。 顔から火が出そうになりながら俯くの頬を、未だ熱い跡部の手が包んだ。 |
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