その笑顔を知ってる。いや、知ってた。
いつも見ていた、君のその笑顔を。
なのに、何故。何故君は、いつもと違うの。
いつものじゃないの。




「アレン?」


真っ直ぐこちらに伸ばされたその手を取りたいのに、僕の左目はそれを許さない。
こちらを見る彼女と視線を合わせれば、柔らかい、いつもの笑み。
そう、これは、だけど、じゃない。
どんなに上手く隠しても駄目なんだ。
わかるよ、呪わしいこの左目のせいで。
そっと左目に手を伏せて、彼女に近付く。

もう少し、あと少し。
確かめるように足を運んで、僕は彼女に笑いかけた。


、愛してます」


言えなかった言葉だけど。
あと1歩で、お別れだから。


僕を許してくれますか
(ぼやけた視界の中で、彼女の笑顔は最期まで綺麗だった。直視することなんて出来ない程に)


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アレン夢。元友人・現アクマヒロイン。アレンの片思い。
(2006/10/16)

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